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要望書−天文学に関する社会教育施設の充実−

2003年08月07日要望・声明

要 望 書
−天文学に関する社会教育施設の充実−

平成15年8月7日
社団法人 日本天文学会
理事長  松 田 卓 也

関 係 各 位

 日本天文学会は、天文学の進歩と普及を目的として活動しております。普及活動においては、天文学研究の成果を、市民や青少年にわかりやすく伝え、自然科学への関心を高め、理科教育や生涯学習に資することを目指しています。そのため、日本天文学会は、教育フォーラム、公開講演会の開催、講師の派遣、アマチュア天文家の顕彰、内地留学制度を実行するとともに、科学館等、社会教育施設と強い連携をとっております。
 天文学の目的は、悠久な時間の中で変遷する広大な宇宙と天体の本質を理解し、人類や生命をとりまく環境について認識を深めることにあります。このような特質から天文学は、青少年の自然科学への情熱を喚起し、市民の生涯学習・教育のテーマとして親しみ易く、広く興味を持たれる学問となっています。
 市民の生涯学習、学校教育と連携した児童生徒の教育の場としては、科学館、博物館、プラネタリウム、公共天文台等、社会教育施設(以下、科学館等)が重要な役割を担っております。科学館等はこれまで幾多の人材を育成し、多くのノウハウを蓄積して、わが国における自然科学の教育面で、大きな財産となっています。
 しかし昨今、一部の科学館等が休館や縮小、あるいは閉館に追い込まれている事態は憂慮に耐えません。このことは、これまで培ってきた人材や組織、ノウハウを散逸させ、生涯学習や理科教育の場を奪い、ひいては、科学技術立国を目指す我が国において、次世代を担う青少年の健全な育成を阻害することになりかねません。

要  望

 このような状況をふまえて、日本天文学会は、国、自治体、関連団体の関係各位に、次のことを強く要望するものであります。

(1)青少年の自然科学への情熱を高め、また高齢化社会における市民の生涯学習の
   場を確保するため、科学館等、社会教育施設を一層充実して頂くこと。

(2)市民と大学・研究機関を結び、上記施設の活動を献身的に担っている、専門職
   員の確保と適正な配置、職員の研修制度の充実をはかって頂くこと。

 以上、ご高配のほどお願い申し上げます。