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回転サーチライト等禁止の法制化についての要望書

2003年12月12日要望・声明

回転サーチライト等禁止の法制化についての要望書

小池百合子環境大臣様

平成15年11月11日
社団法人 日本天文学会
理事長  松田 卓也

 日本天文学会は、天文学の進歩と普及を目的として活動しております。そのため天文学の基礎となる夜間観測の環境に多大の関心をよせています。
 
 我が国には多数の国公私立、及び大学の天文台が存在し、研究者による高度で専門的な観測が行われています。都市大学の望遠鏡で、数十億光年かなたの微弱な光を捉えた実績もあります。我が国はまた、世界有数のアマチュア天文家の活躍を誇り、多数の彗星や新天体発見の実績を持っております。小中高校生による天体観測も盛んであり、また多くの市民が夜空に望遠鏡を向け、宇宙と自然に関心をよせています。このことは理科教育、ひいては我が国の科学技術発展にとって極めて有益です。
 
 星や星雲、銀河、そして宇宙の果てから来る微弱な光をとらえる天体観測にとって、暗い夜空の確保が本質的であります。
 平成10年に環境省(当時環境庁)が策定した光害対策ガイドラインでは、街路灯から上方にもれる光の制限を勧告し、影響が広範囲に及ぶ回転サーチライトを長期間継続して利用する事を禁止しています。しかし昨今、商業目的の回転サーチライトの使用が多くの都市で見られ、本来暗い夜空を広範囲に明るくし、天体観測を阻害しています。
 
 以上の情勢に鑑み日本天文学会は、環境省の「光害対策ガイドラン」及び平成13年度に策定された「光害防止制度に係わるハンドブック」の主旨を生かし、「回転サーチライトおよび夜空を照らす照明の禁止」に係わる法制度の整備を要望する次第です。

以  上