安全保障と天文学

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Nature記事

日本天文学会会員の皆さん

[tennet:16273] Nature 誌2018年4月9日号の editorials 記事の問題(以下に添付)において、ご報告しましたように、Nature誌に日本天文学会(2018年3月の春季年会特別セッション「安全保障と天文学」)での議論に関して、誤った記事が掲載されました。この件について、その後、記事訂正・謝罪を要望するメールを送付したところ、7月2日にようやく、修正、謝罪の文が掲載されましたので、ご報告します:

https://www.nature.com/articles/d41586-018-04588-1

なおNature編集部との多数に及ぶメールでのやりとりに関しては、須藤靖さん(東大)に、大変助けていただきました。須藤さんには深く感謝したいと思います。

また、皆様にはご報告が大変遅れましたこと、お詫び申し上げます。

2018年10月10日
日本天文学会会長 柴田一成

[tennet:16273]
日本天文学会会員の皆さん

すでにご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、Nature 誌2018年4月 9日号のeditorials (vol.556, p.273)の"Military work threatens science"と いうタイトルの記事の中に以下の文章が掲載されました:
In Japan, universities are split over whether they should take funds from the defence ministry's Acquisition, Technology and Logistics Agency. Last year, the advisory board to the nation's cabinet - the Science Council of Japan -called for researchers to boycott the work, and for institutions to set up special committees to evaluate the ethics and propriety of military-related research projects. According to survey results released by the council earlier this month, 46 of the 135 universities polled have such a system in place. But 30 institutions have already allowed researchers to apply, and 41 have no intention of creating such a system. And the nation's astronomical society has voiced support for the fund. It says that its young researchers believe that such work is acceptable if it falls within Japan's policy of maintaining self-defence strategies.
この文章中の "... the nation's astronomical society has voiced support for the fund." という文は、事実誤認です。日本天文学会はこのような意見は どこにも表明していません。すでに数名の会員の方々からも懸念を示すメイルを 受け取りました。
ご存じのように、日本天文学会では学術会議の声明を受けて、安全保障と学術 (天文学)の問題について天文月報で連載記事を掲載し、先日(2018年3月)の春 の年会の特別セッションにおいても、会員の皆様に広く開かれた議論を行ったと ころです。上記の文章は、そのなかでの若手の会のアンケートの結果をまとめた 発表中の一部分を切り出したものだと推察しますが、明らかに背景と文脈を無視 し誤解を与える表現になっています。
天文学会理事会執行部はこの問題を強く憂慮しており、会長としても正式に Nature 誌に抗議し、正しい情報の掲載を依頼したいと思っています。現時点で は、まず特別セッションの企画立案者(前日本学術会議会員)である須藤靖さん (東京大学)を通して先週金曜日(4月20日)に Nature 誌に質問状を送り、現 在回答を待っているところです。残念なことに、先方の回答がかなり遅れていま すので、とりあえず会員の皆様に現状の報告をさせていただきました。

引き続き、会員皆様のご理解ご協力を、よろしくお願い申し上げます。

2018年4月27日
日本天文学会会長 柴田一成