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高速道路における上向きサーチライトによる照明禁止の要望

2005年11月04日要望・声明

国土交通省
大臣 北側 一雄様

社団法人日本天文学会
理事長 祖父江 義明

高速道路における上向きサーチライトによる照明禁止の要望

 高速道路の整備に関し、夜間上向きサーチライトによる標識照明が、光害および交通安全上の懸念となっています。関係方面への適切な指導を仰ぎたく、よろしくお願い申し上げます。

天体観測、理科教育:天体観測には暗い夜空が必要です。我が国は、市民(アマチュア)天文活動において世界有数の陣容と業績を誇り、また全国の大学、研究機関、科学教育施設において、専門の天文学者が、宇宙からの微弱な光をとらえる高度な研究に従事して、大きな科学的成果を上げています。小中高等学校においては理科教育の一環として星空の観察や天文観測が行われています。

環境省の光害対策:環境省が策定した「光害対策ガイドライン」(平成10年)および「光害防止制度に係わるハンドブック」(13年)では、屋外照明全般から上方にもれる光の制限を勧告しています。

高速道路上向きサーチライト等:ところが、高速道路において上向きサーチライトで標識を照射するものが用いられ、周辺ビーム特性と光軸のずれによる漏れ光と、標識乱反射光が、夜空を照らし明るくしています(下図)。また道路および関連施設における照明の上方漏れ光が夜空を明るくしています。これらの光害は、科学者による天体観測、児童生徒の理科教育、市民の生涯教育に障害となります。

要 望 以上の状況に鑑みて日本天文学会は、以下を要望いたします。

1.高速道路での上向きサーチライトによる標識照明の禁止。
2.道路および関連施設照明の上方漏れ光の防止。

20051104.jpg

環境省光害ガイドラインに反する高速道路における上向きサーチライトによる照明禁止の要望(環境大臣宛)
高速道路における上向きサーチライトによる照明禁止の要望(高速道路株式会社会長宛)
補足説明